オレンジリボン運動は、子どもの虐待防止の啓発活動を指します。2004年栃木県小山市で起きた子どもの暴行死事件をきっかけに市民団体が立ち上げ、今では全国的に広がっています。
厚生労働省は、毎年11月を児童虐待防止推進月間として定めて、地域の虐待防止啓発活動の推進を促しています。
2018年度に和光大学菅野ゼミ生とスタートした子ども虐待防止の啓発イベントは、「まずは身近なところから自分たちのできることをやろう」と大学内の展示スペースで実施することになりました。
そこで取り組んだのが、子どもの虐待に関連する本を紹介したPOPの制作。
制作が苦手なゼミ生も一生懸命取り組み、個性的な作品が仕上がりました。
右写真は「児童虐待から考える」(杉山春著)を紹介したPOP。
注)
POPはPoint of purchase advertisingの略で店頭プロモーションの手法として広告媒体に使われているが、書店での販売促進POPから発展し、現在では全国の図書館で「オススメの本」などとしてキャッチコピーや簡単なあらすじを記したPOPが活用され、貸出促進の一助となっている。また、全国的に自治体や出版社がPOPコンテストを開催し、本の魅力を伝えるための取り組みが活発化している。
左写真は、「誕生日を知らない女の子」(黒川祥子著)を紹介したPOP。
表紙をめくるとメッセージが書かれている立体的な作品。
大学図書館の協力を得て、ゼミ生が紹介している本を借りられるように図書館カウンター付近に特設コーナーを設けてもらいました。
全国大会でのプレゼンの様子。
何度も予行練習を重ねて臨みました。
そして、2019年2月に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)で行われた全国大会。
全国の大学・専門学校約70校から7校が選抜され、活動報告がなされました。
審査を経て上位3校が表彰され、光栄にも菅野ゼミは「敢闘賞」を受賞しました。
授賞式後の集合写真。
他大学や専門学校の学生・教員との交流をもつことができ、刺激になったようです。
2019年度は大学内のイベントを1年生に任せ、ゼミ生は大学近隣の公共施設で「189(イチハヤク)プロジェクト」と称してイベントを行いました。
併設する公立図書館の協力を得て、ゼミ生たちが紹介した子ども虐待の関連本を特別展示していただきました。
今回は本の紹介だけでなく、関連するキーワードの解説もしています。
工夫を凝らした作品が並びます。
大学1年次の入門ゼミでは、大学内で「子ども虐待防止フェア2019」の活動を行いました。
虐待を受けた子どもたちのサポートを行っているNPO法人の団体の方にきていただき、社会的養護や虐待についての理解を深めました。
今回は、「クイズ」「POP」「新聞記事」「インタビュー」の4つのゾーンを設けました。
「クイズ」ゾーン
子ども虐待についてのクイズコーナー。
「本の紹介」ゾーン
子ども虐待の関連本を紹介したPOPコーナー。
「新聞記事」ゾーン
児童虐待死事件の新聞記事を紹介したコーナー。
「インタビュー」コーナー
児童養護施設のケアワーカーへのインタビューをまとめたコーナー。
児童養護施設で働いているケアワーカーの方と、施設を退所したあとの自立支援に取り組んでいる団体職員の方へインタビューを行いました。
2020年2月16日に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)にて「2019年度学生によるオレンジリボン運動全国大会」が行われました。
約70校のなかから選考された6校が全国大会へ出場し、和光大学菅野ゼミもそのうちの1校として選ばれました。
今回は、3年と1年の合同チームで臨みました。
他の大学・専門学校のプレゼンが素晴らしかったので、学生たちは予行練習が十分できなくて不安を抱えて本番を迎えかと思います。
しかし、和光ならではのオリジナリティを前面に出したプレゼンになりました。
審査員は、厚生労働省や東京都福祉保健局の行政関係者、資生堂やソフトバンクといった社会福祉に貢献されている企業関係者、児童虐待防止全国ネットワークの関係者の方でした。
6校のなかから大賞、特別賞、敢闘賞が選ばれ、和光大学は、敢闘賞を受賞することができました。
2年連続で敢闘賞をいただき、ありがとうございました。
(左写真:菅野ゼミ3年の石川さんが代表で授与)
菅野ゼミ生(3年)と菅野プロゼミ生(1年)の合計27名で取り組んだ今回のオレンジリボン運動は、公立図書館や大学図書館とコラボレーションを行ったユニークな活動となりました。
我々の活動に協力していただいた関係者の皆様、オレンジリボン運動事務局の皆様、審査員の皆様、ありがとうございました。